説得で「弱み」を出すことで得られる4つのメリット

今回は弱みを出すとうまくいく、というテーマでお話をしたいと思います。

何か自社の商品といったモノを売りたいと思っているときに、お客さんからその商品の欠点を突かれて思わず「うっ」となる瞬間があったり、社内で企画資料を上司に提案するときに、資料の痛いところを突かれて思わず「うっ」となってしまうことは、皆さんご経験があるのではないかと思います。

こういったときに、ついついその場を取り繕う目的で、特に根拠もないのに「いや大丈夫です」というように、言い逃れしてしまいたくなる瞬間もあるのではないでしょうか。

今回は、欠点を隠すのではなく、むしろ潔く認めてしまったほうがうまくいく可能性があるのではないか、というお話をしたいと思います。

今回の参考文献は『シュガーマンのマーケティング30の法則 お客がモノを買ってしまう心理的トリガー』です。

本のタイトルのとおりマーケティングに特化した書籍で、今回ご紹介するテーマ以外にも「モノを売る」ための様々なメソッドが紹介されています。

興味のある方は是非書籍もチェックしてみてください。

書籍の中では、顧客から欠点を指摘される前に、あらかじめ欠点を開示した方が良いと述べます。

 もし売ろうとしている商品に本当に欠点があるのなら、お客は必ず感づき、気づき、見抜く。あなたは「お客の目なんかごまかせるさ」と思っているかもしれない。しかし、お客はあなたが思っているよりもずっと鋭いのだ。

 だからもし、売ろうとしている商品に欠点があり、それに相手が気づいたり、反応したりする可能性があるなら、最初にそれを取り上げてしまうことだ。セールスの最後のほうまで待つのではなく、真っ先に。

 欠点を最初に提示することによって、お客は初めに持っていた警戒心を解いてくれる

 信頼や敬意を抱いたお客はバリアが低くなる。そして、あなたの商品やサービスの本来の利点を受け入れようとしてくれるのだ

このように、みずから欠点を開示することによって、顧客からの信頼感を得ることができます。

もちろん、欠点はリカバーできるに越したことはありませんが、どうしてもリカバーできない欠点があり、かつその欠点に顧客が気づくことでなんらかのトラブルに発展する可能性があるのであれば、前もって開示しておくのが賢明であるといえるでしょう。

では、商品を売るという目的以外でも、この考え方はあてはまるでしょうか。投資家から資金調達を行うケースを見てみましょう。

次はこちらの書籍を参照します。タイトルは『ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代』です。

 誰かを説得するには長所を強調して短所を最小限に留めなければならない、と私たちの多くが思い込んでいるが、そのような強気のコミュニケーション法は、相手が支持してくれている場合にのみ効果を発揮する

 一方で、斬新なアイデアを売り込もうとする場合や、目上の相手に対してなんらかの変化を提案する場合には、相手が疑いの目をもつ可能性が高い。

 投資家はこちらの提案に何とかケチをつけようとするし、上司はこちらの提案がなぜうまくいかないのか、その理由を探そうとする。

 じつはその状況下では、(中略)みずからのアイデアの欠点を強調するほうが効果的なのだ。

著書では、欠点を強調するメリットとして、下記の4つを挙げています。

  1. 弱点を前面に出すことで、聞き手の警戒心がやわらぐ
  2. 自分を理知的に見せられる
  3. 信頼性が増す
  4. アイデアそのものを好意的に評価してもらえる

1と3のメリットは、最初にご紹介した書籍と同じ内容ですね。

2のメリットについては少しご説明が必要かと思いますので、再度著書の内容を引用します。

 心理学者のテレサ・アマビールは、ある興味深い実験を行なった。

 被験者に、書評を書く人の知性と専門知識を評価してもらうのだ。実験の目的は、書評のトーンが変わると、その書評家に対する人々の評価が変わるかどうかを見ることにあった。

この実験では、批判的なトーンの書評と、称賛したトーンの書評それぞれに対する評価を比較しています。

どちらを書くにも同等の能力が必要とされる。しかし、批判的なトーンの書評家のほうが、称賛したトーンの書評家よりも、知性を一四パーセント高く評価され、文学的な専門性は一六パーセント高く評価されたのだ。

 つまり、悲観的なことをいうことで、頭が良いと思われるようになるのです。

次に、4のメリットについても解説します。

投資家や上司を説得するシーンにおいて、こちらの提案に疑いの目がむけられるのは冒頭に引用にてご説明したとおりですが、みずから欠点を強調することにより、相手の注意がその欠点のみに集中し、他の欠点を思いつきにくくなるという現象が起こります。

さらに、「悪い部分を伝える気があるのなら、よい部分もたくさんあるに違いない」と相手に思わせることができるので、結果として、好意的な評価を引き出すことができるのです。

いかがでしたでしょうか。相手に欠点を見せることは普通であればなかなか考えにくいですし、非常に勇気のいることかもしれません。

ですが、ここぞというときに欠点を強調することで説得を有利に進められるのであれば、説得のノウハウとしてうまく取り入れていきたいものです。

[参考文献]

  • ジョセフ・シュガーマン 著,石原薫 訳,佐藤昌弘 監訳『シュガーマンのマーケティング30の法則 お客がモノを買ってしまう心理的トリガーとは』
  • アダム・グラント 著,シェリル・サンドバーグ 解説,楠木健 監訳『ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代』

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