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組織にメリットをもたらす! 絶対に大切にしたい「与える人」

今回は組織にとって大切な「与える人」について話をしたいと思います。

よく人間関係において、人がなにかを与えたらその見返りとしてなんらかの対価を払うという、いわゆるギブアンドテイクを重視するという考え方がありますが、たまに見返りを求めずに人助けをする人がいらっしゃるかと思います。

ボランティア活動などを積極的に行っている人をイメージいただくとわかりやすいと思います。

この見返りを求めない人というのが組織においては非常に重要で、このような人材を増やす、又は大切に扱うことによって企業全体のパフォーマンスを高めることができるという話になります。

今回の参考文献は『GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代』とDIAMOND ハーバードビジネスレビュー論文『「いい人」の心を消耗させない方法 いつ、誰を、どのように支援するかを工夫する』を参照し。

『GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代』では、ギブアンドテイクにおける「ギブ」と「テイク」の2軸から、3種類の人びとがいると述べます。

  • テイカー
    常に与えるより多くを受け取ろうとする。ギブアンドテイクの関係を自分の有利になるようにもっていき、相手の必要性よりも自分の利益を優先する。
  • ギバー
    ギブアンドテイクの関係を相手の利益になるようにもっていき、受け取る以上に与えようとする。
  • マッチャー(バランスをとる人)
    与えることと受けとることのバランスをとろうとする。

この3種類のなかで最も生産性が低いのはどの人びとでしょう? 答えはギバーです。

どの職種をとっても、ギバーはとても思いやりがあり、人を疑わず、相手の利益のためなら自分の利益を犠牲にすることもいとわないようだ。ほかにも、ギバーはテイカーに比べて収入が平均一四パーセント低く、犯罪の被害者になるリスクは二倍、人への影響力も二二パーセント劣ることがわかっている。

では、最も成功しているのはどの人びとでしょうか。テイカーでしょうか? マッチャーでしょうか? どちらでもありません。ギバーなのです

ギバーは「お人好しで、他人にいいように使われる人」と思われがちだが、実は意外にも成功者が多い。本書では、さまざまな職業における成功したギバーを紹介していくが、そこにはコンサルタント、弁護士、エンジニア、販売員、脚本家、起業家、会計士、教師、ファイナンシャルアドバイザー、プロスポーツチームの上級管理職などが含まれる。こうしたギバーたちは、「成功するのが先で、与えるのはそのあと」という一般的なやり方の逆を行き、「先に与える人」こそが、あとでもっとも成功するのだと教えてくれる。

実際に書籍のなかで成功しているギバーが多数紹介されています。

では、成功しているギバーと成功していないギバーの違いはどこにあるのでしょうか。答えは「自己犠牲的」であるか、「他者志向的」であるかであるといわれています。自己犠牲的なギバーは、テイカーに骨の髄まで吸い尽くされて燃え尽きてしまいますが、他者志向的なギバーは自分の利益を守ります。

  テイカーが「利己的」で、成功できないギバーが「自己犠牲的」なら、成功するギバーは「他者志向的」といっていいだろう。

 自分を犠牲にして与えていれば、すぐにボロボロになってしまうだろう。「他者志向」になるということは、受けとるよりも多くを与えても、けっして自分の利益は見失わず、それを指針に「いつ、どこで、どのように、誰に与えるか」を決めることなのである。

企業のチームのメンバーに、このような他者志向的なギバーがいるのであれば、それはとても幸運なことです。理由は下記のとおりです。

成功したギバーは、 自分だけでなくグループ全体が得をするように、パイ(総額)を大きくする。

このことから、企業としてはなるべくギバーのメンバーを集めていきたいと思うでしょう。では、今働いていらっしゃる社員の方や、これから採用を検討しようとしている人がギバーなのか、はたまたテイカーなのかどうすれば見分けられるでしょう。

少なくとも、自分の利益だけを優先するテイカーはなるべくメンバーに入れたくありませんね。対処法として、SNSを活用することで、ある程度テイカーを見分けることができると言います。

テイカーは、ナルシスティックな、実物以上によく見える自分の写真を投稿していた。フェイスブックのプロフィール写真は「ややきわどい」と評価された。露出度が高く、慎み深さに欠けていたからだ。投稿している情報は、押しつけがましく、自己中心的で、もったいぶっていると見なされ、使っている引用も、傲慢な印象を受けると評価された。テイカーはまた、フェイスブックの「友だち」がやたらと多かった。自分をよく見せるために、上辺だけのコネクションをせっせとつくり、頼み事ができるように連絡を保っているのである。

職場のメンバーがギバーとマッチャーだけになれば非常によい環境であるといえるでしょう。なぜなら、マッチャーはギバーから受け取ったものと同じ見返りを与えないと気が済まないからです。もし職場にテイカーの人がいる場合は、ギバーの間にマッチャーの人を挟むようにしましょう。マッチャーはテイカーの行動が気に入らないため、結果としてギバーが吸い取られる状況から守ることができます。

また、CEOがギバーであった場合は、企業の業績そのものにもよい影響を及ぼすとのことです。こちらはDIAMOND ハーバードビジネスレビュー論文『「いい人」の心を消耗させない方法 いつ、誰を、どのように支援するかを工夫する』からの引用です。

テクノロジー企業を対象とした調査によると、CFOが「CEOは、自分の成功よりも組織の繁栄を重視しているようだ」という見方に同意した場合、その企業は翌四半期に、過去の実績や他企業と比べて有意に高いROA(総資産利益率)を記録していた。

 もし組織のなかのギバーが他者志向的ではなく自己犠牲的になっている場合は、下記の習慣を取り入れるよう促すとよいでしょう(以下、論文からの引用です)。

  1. 自分に寄せられる支援要望に優先順位をつける。ここぞという場合に要望に応じ、必要なら断ることも辞さない。
  2. 自分の関心や強みが活きる方法を選ぶことで余力を保ち、より大きな価値をもたらす。
  3. 負担を公平に分かち合う。自分に時間やスキルがない場合は別の人を紹介するほか、誰がどう支援しているかに関して、性別による先入観を助長しないよう留意する。
  4. まずは自分の面倒を見る。自分のニーズから目を逸らさないほうが、他者をよりよく手助けできるからだ。
  5. 一度に複数の人の力になる方法を探し、効果を増幅させる。
  6. 分散せずに、特定の日や時間帯にまとめて行う。そのほうが、集中力が高まり成果が上がる

[参考文献]

■ アダム・グラント 著(楠木健 訳)『GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代』

■ アダム・グラント, レブ・リベル 著(有賀裕子 訳)『「いい人」の心を消耗させない方法 いつ、誰を、どのように支援するかを工夫する』DIAMONDハーバードビジネスレビュー論文

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